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ブレーキフルードのエア抜き 制作:2003/03/27

サーキット走行会に参加する機会も増えて、益々、クルマの状態に対して気を遣うようになりました。
特に、ブレーキ。ブレーキに少しでも不安があると、とても恐いですよ。

ホームストレートを全開で抜けて、1コーナ手前で一気にフルブレーキ。
そりゃあ、ブレーキ大負担、アッチッチですよ。
ブレーキフルードにエアを噛むベーパーロックは、後々の通常走行でも、恐ろしい思いをする事になります(FISCO走行後、エアを噛みまくって、広島のアパートに辿り着くまで、走行中生きた心地がしなかった経験があります)から、エア抜きはしっかりしてあげたいな、と。

以前、正規ディーラーでエア抜きをして貰ったとき、結構な工賃を取られたんで、これから頻繁にやるんであれば、自分で作業を覚えた方が良いだろうと、実際に某自動車メーカーで働いてる先輩に手伝って貰って、フルードのエア抜きをやってみました。

フルードのエア抜きは、基本的に、ブレーキマスターシリンダーから遠い順番に行います。
私の雁タンク号は、マスターシリンダーは左前にあるので、右後輪→左後輪→右前輪→左前輪の順番に作業します。

でもまぁ、多少順番が入れ替わっても、問題無いと思いますねー。私が作業するときも、結構適当ですし。

後輪のキャリパー 31KB ってなわけで、取り敢えず、後部をジャッキアップして、後輪を外します。
左の写真は、右後輪のブレーキシステムです。

ちょっと分かりにくいですが、キャリパーの上部向こう側に、フルードを排出する為のブリーダーがあります。
右の写真だと、何のカバーも無いですが、通常はゴムキャップが被ってます。

キャリパーに対して、何故か斜めにブリーダーが付いてて、ちょっと気持ち悪いんですが、両輪とも同じだったんで、きっとこんなモンなんでしょう。

ブリーダー 8KB

ここで登場!
先輩特製のブレーキフルードキャッチャーです。

500mlのペットボトルのキャップに穴を開けて、そこにビニールホース(先輩のは熱帯魚の水槽に使うヤツでした)が挿さってます。
それに固定用の針金を括りつけてあります。

ここでポイントなのが、ペットボトルの中に、ビニールホースが浸かるくらい、フルードを満たしておく事。
これをしておけば、満たしたフルードがホースの入口を塞いで、エアが逆流するのを防いでくれるのです。
普通は、ブレーキホースを一旦上に取り回す事で、エアの逆流を防ぐんですが、その手間が省けますよ。

難点は、フルードが余計に要る事でしょうか。
でも、自分でエア抜きとかやってると、得てしてフルードが余るもんなので、まぁいいでしょう。

秘密兵器のフルードキャッチャー 37KB

こんな感じで 40KB 取り付けは、こんな感じで。

ブリーダーにビニールホースを挿す前に、あらかじめナットにCRCなどのスプレー潤滑剤を吹きかけて、9mmのメガネレンチをかけておきます。
一緒に作業した先輩曰く「おいおい、9mmかよ!持ってねーよ、そんなメガネは。これだから外車ってのは・・・」普通は8mmか10mmだそうで。

CRCをかけるのは、ナットを緩み易くする為です。折角、セットしてナットが回らないと、ちょっと悲しいので。

ちなみに、フルードに触れたホースは、何回も使っているうちに、硬化してボロボロになるんで、消耗品だと考えましょう。

あと、ナットを緩めるときに、メガネレンチをどっちに回していいのか分からなくなるんですが、こっちから見て、ですよ右!
ブリーダーが向こう側に生えてるんで、逆なんですよね、ネジの方向が。

で、作業に入るその前に・・・。

リザーバーのキャップを開けておくのを忘れずに。
エア抜きで減ったフルードは、適宜追加して、適量にしておきましょう。

もし、うっかり注ぎ忘れたら、エアを噛んでしまって、えらい事になっちゃいますよ〜。

キャップを開けとこ 24KB

さてさて、準備が整ったところで、作業パートナーを運転席に乗せて、ブレーキを踏んで貰う準備をします。
こっちは、ブリーダーを緩める準備です。さー、ふたりがかりで作業ですよ〜。

うわッ、凄いエア! 38KB
ブリーダ 「踏んで〜!」
ブレーキぽん、ぽん、ギューーーーーーーーーーッ
(次の声がかかるまで全力で踏み続ける事)
ブリーダクッ、クッ
(「ギューッ」の間に、ブレーダーを緩めてすぐ締める。0.5秒くらい)
ブレーキ 「ギューーースカッ
(ブリーダーが緩んだ瞬間、フルードが排出されて踏み抜けるけど、構わず全力で踏み続ける事)
ブリーダ 「踏んで〜!」
ブレーキ 「ぽん、ぽん、ギューッ」
・・・以下、エアが排出しきるまで繰り返し。

ブレーキを踏むときのぽん、ぽんは、ブレーキライン内の圧力を上げて、エアを排出し易くするおまじないです。
あと、フルード排出中に、全力でブレーキ踏むのを止めてしまうと、エアを吸い込んでしまうので、やっちゃ駄目ですよ。

ちなみに、左の写真、凄いエアが排出されました(汗)。
普通は、ほんのつぶつぶみたいな気泡で出てくるんだそうですが・・・。
こ、恐いぃ〜!

エア抜きを終えたら、ブリーダーをしっかり締めて、キャップをします。
そして、ウエスにブレーキクリーナーを含ませて、ブリーダーの周辺をしっかり拭きましょう。
ブレーキフルードは、毒性が強いので、ほったらかしは駄目なんですって。
ちなみに、フルードを拭き取ったウエスは、とけるそうで(汗)。

ついでに、ブレーキローターの表面に、ブレーキクリーナーを吹きかけて、清掃しときましょう。
但し、パッドには、クリーナーをかけないように!

あとは、もう一回、ブレーキを全力で踏み込んで、ブリーダーからフルードが漏れてないかを見とくのも忘れずに。

これで、ホイールを取り付けて、ほい、ひとつ完了!
同じ要領で、前輪について行えば、エア抜き終了ですよ〜。

ちなみに、フルードの全交換も、作業としては同じです。
エアが抜けるまで、では無くて、新しいフルードが出てくるまで、作業をすればOK。
全交換なら、フルードは1リットルくらいあればいいでしょう。

前輪のブレーキシステム 27KB

エア抜きが完了したら、忘れちゃいけない、試運転。
近所を、のんびり流して、ブレーキの効き具合を確認しましょう。
もしも、ブリーダーが緩んでたり、エア抜きに失敗してエア噛んだりしてたら、ほんと危ないですからね〜。

ブリーダーが緩んでたら、ブレーキを踏み続けると、じわじわと踏み抜けてしまうし、エアを噛んでたら、ブレーキタッチがふわふわになっちゃいます。

まぁ、サイドブレーキを引いて、ブレーキをパコパコ踏むと、圧力が高くなってタッチが固くなればOKなんだそうですよ。
(私のクルマの場合、サイドブレーキを引いても引かなくても、あんまし関係無かったですねぇ)

ふっふっふ、これでブレーキは安心だッ。
工賃も、ブレーキ踏み係の友人をラーメン一杯で雇えば、まぁ500円くらいですか。わはは!

さて後日。
ブレーキフルードのエア抜きを、より一層楽チンにする為に、9mmのフレアナットレンチを買いました。

工具専門店のアストロプロダクツで探したんですが、店舗に在庫無し。
9mmってサイズは、かなり特殊らしいです。
で、注文して、スタビレーのフレアナットレンチをゲット!1本3,620円!・・・結構、値が張るのね(涙)。

スタビレーのフレアナットレンチ 9KB

フレアナットレンチ(上)と、メガネレンチ(下) 6KB/49KB フレアナットレンチを使えば、エア抜きのときに、しっかりナットを掴んでくれるので、作業がやり易いのです。
このナットをなめてしまったら、修理はかなり高くついちゃいそうですし・・・。

そう云う意味でも、このフレアナットレンチは、ブレーキ整備には必需品ですね〜。

ってなわけで、実際にフレアナットレンチを使って作業しました。
おお〜、めちゃくちゃやり易い!ナットをしっかり掴むんで、緩めるときに、変に気を遣わなくていいのが楽チンだ!

でも、これ、フロントのキャリパーには使えませんでした。
レンチが肉厚で、ナットが回せなかったんですよ。
ここは、メガネレンチで作業するしかないですね〜。

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