<銀河帝国ランドルフ元帥府>
「殿下、ついに所在をつかみましたね。」
技術屋を思わせる容貌を持った青年が敬愛する上官に報告を行っていた。
「今回はバルゼーさんの所から艦隊が出るみたいです。」
「........バルゼー元帥も最近手柄がありませんでしたからね..まぁお手並み拝見といきましょう。」
「エドワードさん??」
「失礼しました.....でも今回は我が”ラグナロク”の出番はありませんね。辺境の小基地など楽勝でしょう。」
「そうでもないみたいですよ?どうやら敵将は”守護天使”みたいですから。ふふふっ」
見る者全てを魅了する笑みを浮かべながら帝国元帥クレア・ランドルフは空を見上げた.....遙か宇宙の先を見つめるかのように。












少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第二話”出航”






<亜細亜連合基地”イカロス”>
「もぉ〜この基地の構造ってどうなってるのよ...まるっきり迷路じゃないの」
着任から二週間...茉莉慧は今...迷子になっていた(汗)。
「司令から四層Bブロックにある資料室からデータディスクを持って来るように言われたのはいいけど....ここ....どこ??」
実際イカロス基地は入り組んだ構造をしていた。初めてでは迷ってしまうのも無理はない....暫くさまよったあとおもむろにエレベーターが姿を現した。
「助かったぁ....これでとりあえず別の階にいける・・・。」
安堵した茉莉慧はともかくエレベータに乗り。取りあえず1と書かれたボタンを押した。エレベータが上昇するのが解る。
暫く後エレベータが停止し扉が開いた...。
「え?......ここは....。」
目の前にある光景......それは信じがたい物であった。
「戦闘艦の......艦橋???」
そう......目の前にあるのは紛れもなく戦闘艦の大艦橋...その上窓は岩盤で覆われていた。
「そうよ...ここは戦闘母艦の第一艦橋よ」

「え?」振り返るとそこにはいつの間に来たのだろういつかの少将が立っていた。
「貴女はねこの艦のオペレーターの一人としてここに配属されたのよ。」
「何でですか?」
「貴女の中に流れる血が艦の中枢を司るキーだと言う事を偶然知ってしまったの....。」
「そんな.....。」
「司令!大変です!」
茉莉慧が反論しようとした時、上官が慌てて入ってきた。
「どうしたんです?ZEEKさん」
慌てた風もなく目の前の少将はZEEK少佐に聞き返した。
「帝国軍がついにここを突き止めました!超弩級戦艦3、巡洋艦四、駆逐艦多数の大艦隊です。30宇宙キロ先より当基地に25宇宙ノットで迫ってきています。」
「いよいよですか。総員を配置につかせて下さい。あと珠蓮さんの水雷戦隊には待避をお願いして下さい。」
「すでに通達済みです。五分後には総員の配置と艦隊の出航が終了いたします。」
ZEEKの発言が終わるとほぼ同時に艦橋に艦橋要員が雪崩れ込み指定と思われる位置についた。
「艦長!総員配置に着きました。エンジン始動可能です。」
「補助エンジン始動!エネルギー充填開始!」
「ZEEK.....艦長??」
「そうよ....そして貴女がオペレーター....ここが貴女の席よ。」
「私...の??」
少将は茉莉慧の肩に手を置き茉莉慧を艦橋の中央にある席へを誘った。
「そう...そのパネルに手を置くの...そうしたら貴女に聞こえるはずよ。
この艦の声が.....。」「この艦の声?」「そう...このふねの声...。」
茉莉慧は訝しがりながらも言われた通りにしてみた.....
(......ちゃん.....お姉ちゃん......)
確かに聞こえてきた....少女の声??
(お姉ちゃんが新しいオペレーターなんだね!私ミコ!この艦の中枢制御システムなの!)
........元気のいい声だ......。
「霧島司令!準備が整いました!。」
......霧島司令って言うんだ......あの女性(ひと)。
「タイミングを測ります!岩盤強制除去の準備をして下さい。」
「了解!岩盤のパージの準備をします。」
「後は相手の出方ですね。」


<帝国派遣艦隊旗艦”プレアデス”>
「ふんっ...わざわざ大艦隊を率いてこんな小さな基地一つを攻略か!
馬鹿馬鹿しい。」
禿あがった頭をなでながら,艦隊司令ゴーランド中将は吐き捨てた。
「しかし閣下、相手は”守護天使”ですぞ?どんな罠が待ち受けているか解りません、くれぐれも御自重下さいます..。」
「なにを言うか!駐留していた小規模な艦隊はとっくに逃げ出し。残るはろくな武装ももたぬ監視基地!相手が守護天使だろうとどんな策がある??
ありはせぬわ!こんな任務とっとと終わらせて帝都に帰るぞ! 」
「敵監視基地まであと12宇宙キロ」
オペレータの声が響く。
「砲撃開始!連合の奴らを踏みつぶせ! 」



<イカロス内艦橋>
「敵艦隊砲撃を開始しました。距離15宇宙キロ」
「10宇宙キロに入ったら岩盤の強制除去を行います。結城さん主砲発射の準備をしておいて下さい。」
「了解しました。」
「ZEEKさん艦に問題はありますか??」
「全艦、異常ありません。主機関の準備も終了しております。」
「パージと同時に防御フィールドを全開にして下さい。」
「了解です。パージと同時にフィールドを全開展開します。」
霧島司令は次々に命令を下してゆくそして振り返ると茉莉慧に微笑みかけた
「桜小路さん、問題ありませんね?」
(お姉ちゃん!全てオッケーだよ!)
「....問題ないようですが...。」
「ありがとう...後でちゃんと説明するわ。」
「敵艦隊10宇宙キロ」
「岩盤パージ!全回路シールド排除!」「シールド解除します。」
「武装システムへの動力回路セイフティーオープン」「回路接続します。」
「主機関点火!」「シリンダー振動数毎秒3億6千万全て正常!推力伝導管閉鎖弁解除」
「ライフルレーダー入力ON」
全ての準備が終了した地点でZEEKは振り返り司令官の裁可を仰いだ。
「司令!全艦準備完了です!」
霧島司令は、一呼吸置いてそしてはっきりした口調で宣言した。
「大和発進!」「大和発進します!」
長きに渡る眠れる獅子装甲母艦大和の旅立ちの時が来たのだ!





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あとがき
ZEEK:2話です♪
茉莉慧 :発進しましたね〜
ZEEK:次回は艦隊戦だよ
茉莉慧 :でも.......まるっきり宇宙○艦ヤ○トですね...
ZEEK:ギクぅ
茉莉慧 :やっぱりそうなんだ.....
ZEEK:いいじゃないか!!!好きなんだから
茉莉慧 :開き直ってるし(^^;;;
ZEEK:これから君も活躍あるよ♪
茉莉慧 :本当ですか?
ZEEK:ホントホント
葵   :でも私達の出番がないです。
詩織  :そ〜ですわ!
ZEEK:て.....事で次回もやぁぁぁぁぁぁぁってやるぜ!
葵   :誤魔化さないで下さい!



続く?