<ランドルフ元帥府>
「バルゼーさんが出撃を決定したみたいです。」
「今度ばかりは....ラグナロクも出撃したほうが..。」
「解っています...今回は私も出撃します。」
「しかし...殿下.....。」
「私とて帝国軍人ですよ??」
「.......はい...お供いたします。」
「すみません..エドワードさん」
「では近衛艦隊の出撃準備を整えて参ります。」
「あ...エドワードさん」「はい??」
「バルゼーさんの面子を潰さないようにお願いしますね??」
「解っております...艦隊出撃後に出撃できるよう手はずを整えます。」
「すみません、いつも...わがままばかりですね。」
「いえ....私は殿下にもっと我が儘を言って頂きたいのです。では!」
エドワードが準備の為に退出した後クレアは一人呟いた。
「3年ぶり....ですね奈々さん。」




















少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第七話”戦雲”


<岩戸要塞司令室>
「お呼びでしょうか??三条司令」
奈々と瑠璃は基地司令の突然の呼び出しを受けていた。
「うむ.....帝国の大規模な侵攻部隊がこの岩戸要塞に向かっているという報告が入った。君たちの第3,第7艦隊で迎撃してもらいたい。」
「突然の事ですね.....。敵艦隊の勢力はどの程度なのですか??」
「2個艦隊ほどだそうだ....霧島君の”大和”の威力と上条君の艦隊の働きを見せてもらおうと思ってね。」
瑠璃の問いに即座に答えながら三条司令は不適に笑みを浮かべた。
「「了解しました。閣下のご期待に添えるよう努力いたします。」」
「期待している」
お互いに敬礼を交わし二人は退室した。
「乙女達が露払いですか...。」
「まぁ...なせいぜい敵の数を減らしてもらって君に殲滅してもらう。」
「そして二人には損害の責任をとらして退役...ですか。」
「そんなところだ....頼むぞ??ウォン君。」
「心得ております。」
二人の悪代官と越後屋のような忍び笑いを始めた....妖しいぞ(^^;

<要塞内の廊下>
「奈々....敵はどう来ると思う???」
瑠璃の問いに奈々は答えなかった....何か考えているようで生返事なのだ。
(やっぱり2度に渡る敵艦隊の撃破が敵の注意を引いてしまったのかしら...だとしたら今度こそあれが来るの???でもあれが来たとして私は勝てるの??)
「奈々!奈々ったら!」「え?.....な..なにかしら???瑠璃さん」
「さっきから奈々ったら考え込んじゃって生返事なんだもん...。」
「ご..ごめんなさい。」「いいよ...3年前の雪辱戦なんでしょ??」
真顔で瑠璃が奈々に質問をしてきた。
「ええ.....きっと今度こそ出てきます。」「勝算は??」
奈々は暗い顔をして押し黙ってしまった。
「そっか....駄目か...覚悟しなくちゃいけないかな??」
「もう!瑠璃さん...ちゃかさないで下さい!!」
「あはは!くらくしてても始まらないよ??奈々」
奈々ははっとした....
(そうか...私そんなに深刻そうに見えたんだ)
「瑠璃さん...ありがとう」
「どういたしまして♪その代わり作戦は任せたよ??」
「ええ!任せて下さい!」
奈々は瑠璃に最高の笑みを浮かべていた。

<大和艦橋>
「告げる、こちら艦長。要塞司令部より出撃の命令が下った。目的は進行してくる帝国艦隊の阻止、及び撃滅だ。...なに大丈夫だ、訓練内容の12.7%ほどの実力を引き出せれば君たちは確実に生きて帰れる。諸君らには初めての本格的な戦闘だ、気を抜くな!しかし肩の力を抜き自分の職責を全うせよ。以上だ。」
出航前に早速定例になりつつあるzeekの訓辞が行われた。
「艦長!出航準備全て整いました。」
副長の美瑠の報告が飛びそれを確認したZEEKが奈々へ振り返る。
「司令、全て準備が整いました。」
「はい、では全艦出撃して下さい。」
「了解、全艦出航!桜小路君気流信号DGを全艦に伝達してくれ。」
「でぃ....DGですか???」
「景気づけだ..司令も御裁可下さっている。」
「了解しました。」
茉莉慧は少し戸惑った....気流信号DGと言えば通称”Z旗”それが意味するのは”決戦”だからだ....。
(少し...大げさなんじゃないかしら...。)

<上条艦隊旗艦”月光”>
「司令!大和よりDG信号が送られてきました。」
オペレーターの報告を聞いた瑠璃は思わず吹き出した。
「Z旗ですか.....ZEEKさんですね。全くおおげざなんだから。」
「うちもDG発信しますか??」
「うちは良いですよ...気楽にいきましょ??」

こうして霧島、上条両艦隊出撃していった。
激しい戦いを予感しながら........。

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あとがき
ZEEK:7話です♪
茉莉慧 :戦闘前ですね。
ZEEK:そう....次回は初の本格的な戦闘
茉莉慧 :艦隊戦...ですね。でも
ZEEK:でも??
茉莉慧 :3年前...何があったんですか??
ZEEK:それはこれから追って話してくよ♪
茉莉慧 :そうですか.....
ZEEK:じゃそういうことで次回もやってやるぜ!



続く?