<エンタープライズ艦橋>
「長官.....全艦まともに戦闘できる状態ではありません」
「もはや...これまでか.....」
ハニー参謀長の絶望的な報告にバルゼー元帥はうなだれた。
「アール君.....すまんが本艦は旗艦の役目を果たしてもらうよ?」
「小官は旗艦の艦長になったときからすでに覚悟はできております。」
「すまん..........。」
戦闘は奈々達にとって一方的であった、機先を制された所を葵達によって引っかき回され、その上で前から奈々後ろからは瑠璃の攻撃が帝国艦隊を袋叩きにしていたのだ。
しかし...転機が訪れた。
「長官!皇女殿下から入電です!!!!!!!」
通信オペレーターの越権行為は問われなかった。..吉報であったから。
少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第九話”黄泉回廊沖会戦(中編)”
<大和艦橋>
「要塞が直接攻撃されているの??...一体どうやって!!」
美瑠が大声を上げた。
「桜小路君....守備艦隊はどうしたのだね??」
zeekの問いに茉莉慧はまさに最悪の返事をした。
「..........全滅だそうです...不意を付かれて」
「司令!九時の方角より艦隊が急速接近中です!!!!!。」
まさに最悪のタイミングだった......楠香の報告に奈々は自分の作戦が崩壊したことを悟った。
「zeekさん.........。」
「はい......これより本艦は接近中の敵艦隊に向け拡散加粒子砲を発射する。各員配置につけ!」
「艦長!今回頭しますと現在攻撃中の敵艦隊に....。」
突然の命令変更に美瑠が反対の声を上げた。
「挟み撃ちよりはましだ!加粒子砲への回路開け!重力レンズ拡散モードで展開!!」
結局zeekの命令が押し通されてしまった。
「「「了解!!!」」」
<エンタープライズ艦橋>
「バルゼーさん.....助けに来ましたよ??....御邪魔でしたかしら??」
クレアが遠慮がちにバルゼーに話しかけた。
「殿下.....助かりました、艦隊将兵に成り代わりましてお礼を申し上げます。」
バルゼーは深々と頭を下げたが...その顔は屈辱に満ちていた。
「敵を倒したわけではありませんよ??大型戦艦の方は何とかしますから艦隊は任せましたよ??」
バルゼーはハッとして顔を上げた.....クレアはここに来てまだ自分をたてようとしてくれているのだ。
(少なくとも彼はそう思った)
「殿下.....」
「おやりなさい、宇宙艦隊司令長官、私に艦隊線の伊呂波を教えてくれた貴方なら切り抜けられるでしょう。」
「はっ!!!!」
振り返ったバルゼーは自信を取り戻したようだった。
「全艦集結!!!戦艦を前方に配置して後ろの艦隊を叩く!!!!!踏み潰せ!!!」
<月光艦橋>
「司令!大和が回頭します!」
「何ですって???何を考えてるの???まだ敵は生きているんだよ???」
大和では混乱を防ぐためにあたらたな敵艦隊の情報を故意に流さなかった為新たな混乱が生じていた......もちろん敵艦隊の接近を上条艦隊もいづれは捕捉するだろう......しかし現地点では敵艦隊の接近を知ったら
より大きな混乱を生むことになったであろうから....。
「敵艦隊息を吹き返したかのように本艦隊に向かってきます!。」
オペレーターの悲痛な報告が響いた。混乱中だった敵はどうやら体勢を立て直したらしい...だいぶ数が減ったとはいえ今だ帝国艦隊は優勢な数を持っていたのだ。
<麗風 葵機>
「隊長??どうなってるんですか???敵の動きが急に良くなりました!」
急に手強くなった敵に困惑した綾は葵に泣きついていた...。
「.......どうやら司令部の目論見は失敗したみたいね。」
「ど〜するんですか????私たち孤立しちゃうますよぉ」
「こんな時は決まってるじゃない!!!」
「隊長???」
「全機!大和へ一端帰還せよ!!!」
「......逃げるんですか???」「や....や〜〜ね〜〜補給に行くだけよ!補給!」
綾がジト目で葵を見ていた。
......でもこいつら戦闘しながらこんな事しちゃって.....普通じゃないね.......。
<大和艦橋>
「加粒子砲発射準備よろし!重力レンズ拡散モードでの展開終了!」
茉莉慧の報告にzeekは美瑠に命令をした。
「結城君!」「了解です!加粒子砲発射!10秒前!9,8,7...。」
カウントが始まったとき楠香の報告が飛んだ!
「敵艦隊との中間地点に重力は異常発生!!!」
「6,5,4...。」
そこに現れたのは巨大な宇宙戦闘艦であった.....。
驚いた美瑠が思わず奈々の方へ振り返った。
「.......か..かまいません!発射して下さい。」
(霧島司令が...動揺している??)
茉莉慧は驚いて奈々の方を見た......明らかに動揺している...よく見ると...zeekも....
「3,2,1,0!!いっけ〜〜〜〜!!!!」
そのとき大和の加粒子砲から限界まで加圧されたエネルギーが放出された
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あとがき
ZEEK :9話です
茉莉慧 :いまだに艦隊戦って言うほど戦いが激しくないですね
ZEEK :う゛........
茉莉慧 :描写もほとんど増えてないし......
ZEEK :う゛う゛.........
茉莉慧 :困りましたねぇ
ZEEK :...............
茉莉慧 :あれ??詩織さんどうしたの???
詩織 :出番が....ありません
ZEEK :次回もやってやるぜ!!!
茉莉慧 :あ......逃げた
続く? |