(????? ????)
やはり暗い部屋......会議卓だけが存在する大きな部屋
またも妖しげな人物達が会議を行っていた。
「議長、準備が終了したようです。奴は気づかずにノコノコ出て行きました。」
下座にいた人物は上座にいる老人に報告していた。
「...我々の目的は混沌...混沌こそ我らの道...失敗は許されぬぞ?」
「解っております。全て私にお任せ下さい。」
下座の男は力強く答えた
「では君に一任しよう.....良い結果を待っているぞ」
議長と呼ばれた男の宣言を合図に下座の男を除いて全て人が消えた
どうやらフォログラフィネットワークによるオンライン会議だったようだ。
「そう....私にとっても始まったばかりだ。」
下座の男は独りごちた
少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第拾六話 ”調印式”
<大和司令官室>
「殿下!!心配させないで下さい!!」
奈々は和仁の前でそれだけ言うとぺたんと床に座り込んでしまった。
「奈々に早く合いたかったん......だ......」
悪びれず和仁は言ったのだが奈々に上目ずかいで睨まれ黙ってしまった。
「私も歓迎式典に出席しておりました!」
「あ............」
そう...奈々は要塞駐留艦隊司令職に付いていたのだ。
クスクスクス...
笑い声に奈々が振り返るとそこには美留が笑いを押しこらえきれずに笑いを漏らしていた
「ゆ...結城さん!!」
奈々は恥ずかしさから顔を真っ赤にして怒ったが状況からして全く怖くない..怒気がないしむしろ可愛いといえる。
「も..申し訳有りません」
「ともかくお姉さんありがとう..さがって良いよ」
和仁は話を逸らす絶好の機会と美留の退室を言い渡した。
「はっ....知らぬ事とはいえ殿下ご無礼の段平にご容赦を...では失礼いたします。」
美留は一礼すると司令官室を退室していった。
「それはそうと...歌織はどうしたの?」
「歌織なら殿下のお部屋に待機させております。...まずはお召し替えをするためにもお戻りを。」
「仕方ないね...昔話はあとにしよう。」
和仁は寂しげに微笑んだ。
「殿下.....私はいつでも殿下の味方です。ですが今だけはご辛抱下さい。」
和仁の寂びそうな表情にいたたまれなくなった奈々は和仁を優しく抱きしめ言い諭し和仁を見つめた。
「ありがとう...奈々」
「参りましょう.....歌織も待っておりますわ」
<皇太子控室>
「殿下〜〜〜〜ごめんなさい」
和仁が入室すると同時に男装の歌織が飛びついてきて泣き始めてしまった。
「ごめんね...歌織」
やさしい笑顔で和仁は歌織の頭をなでるととたんに歌織はふにゃ〜っと崩れてしまった。
「ふみぃ〜〜〜」
「二人とも....時間がないのはご存知かしら??」
「「な...なな(お...お姉さま)(^^;;;」」
ほぼ同じタイミングで頭に盛大な汗マークを付けて和仁と歌織が振り返ると
目を三角にした奈々が仁王立ちしていた.......。
「歌織...手伝ってくれ(汗)」「は..はい(汗)」
急いで二人は部屋に入っていた...なかなかお似合いかもしれない(汗)
「殿下、お急ぎ下さいましね?」
二人が準備を始めたのを確認した奈々はどこかへ通信を入れた
「私です...例の計画を実行に移して下さい。...くれぐれも気がつかれないように願いしますね」
<休戦条約及び和平条約予備条約調印式会場>
和仁は着替えを急いで終わらせると奈々を連れ立って会場入りを果たした。
すでにクレアは会場におり和仁を握手で出迎えることとなった。
「初めまして...というべきかしら?」
「そうですね..はじめまして」
「長い準備がようやく実りましたね.....それでは調印を致しましょう。」
「全ての国民達の苦労が報われる世界のために。」
そして壇上の二人が署名をしようとした時男の声が会場に響きわたった
「少し待っていただきたい!!!」
振り返った出席者が見た物は武装兵を引き連れた戦死したはずのウォン・ダイ朝鮮明国軍少将であった。
「この和平条約に異議を申し立てる!」
「ウォン君....なにを言っているのだ。」
三条が慌ててウォンの前に立ちふさがる。
「閣下.....これも大儀のためですよ。」
ウォンはにやりと笑うとブラスターを放った....三条は必死によけたがブタスターの弾は三条の右肩を捕らえていた。
「ぐっ......き..貴様!!」三条の右肩には激痛が走っていたが彼はものすごい形相でウォンを睨んでいた。
「お別れです..閣下」
ウォンは三条にもう一発放とうとした...その時
「茶番はそれくらいなさって下さい。」奈々が冷たい視線で二人の提督を睨んだ。
「な....なにを言い出すのだね霧島君」
思わぬ発言に三条が聞き返す。
「聯合の主戦派の三条閣下がこの式典に賛成であるわけはありません...申し訳有りませんが少し調べさせていただきました。」
三条が今の発言で押し黙る。
「それに三条閣下...貴方は踊らされていますわ。....今頃朝鮮明国軍主力はアマテラスへ侵攻を始めているはずです。」
「な...........」
知らされていなかった情報に三条は驚きウォンを睨んだ....そのウォンは不適に笑っていた。
「くくくくく.....さすが守護天使だ....この要塞ごと消してしまうには惜しい知謀だな。言って置くが宇宙港はすでに全て封鎖させた..脱出はできんぞ!」
「あら?発電施設の炉心融解弾の事かしら??すでに撤去は終わってますわよ??」
余裕顔だったウォンはクレアの発言に今度こそ驚いた。
「バレバレか......だが..霧島..おまえ一人くらいなら...道連れに出来そうだ。」
自嘲気味に呟いたウォンはホルスターからルガーP−08を抜くと防御フィールドで防御されていない奈々の方に向けた。
そして銃声が一つ.....会場に鳴り響いた。
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あとがき
ZEEK :16話です
茉莉慧 :霧島司令どうなっちゃったんですか??
ZEEK :次回のお楽しみ♪
茉莉慧 :でもさすがの皇太子殿下も霧島司令には頭が上がらないんですね
ZEEK :いわゆるお姉さんがからね......
茉莉慧 :なるほど......で司令はショタ??
ZEEK :彼女は本当に姉として慈しんでいるってかんじだね母親かも
茉莉慧 :そうですね........
ZEEK :さて次回話が急展開します
茉莉慧 :どうなるんでしょうね??
ZEEK :ってことで次回もやってやるぜ!!!
続く? |