その銃声は長く響き渡った。
そしてウォンはゆっくりと崩れ落ちた。
「間に合いましたね!!」

入り口には葵が愛銃を構えて立っていた。
「近衛さん..状況は??」
奈々は緊迫した表情で葵に聞くと葵はニヤリと言う表情を浮かべると
「ご安心下さい、全ての敵性兵員の拘束に成功しております。」

葵は報告が終わると親指を立てた。
「ふぅ.....後は本星の問題ですね...。」
奈々がほっとした表情に戻ると会場内の緊迫が解除され穏やかな雰囲気が流れていた。
しかし...ウォンの死体がいつの間にか無くなっていることにきがつく者はいなかった...。

























少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第拾七話”アマテラス防衛戦”


<飛鳥皇国本星アマテラス軌道防衛ステーション>
「大佐?ツクヨミより大規模な艦隊がアマテラスに向かってきます..これは事前連絡にはありませんでしたが何かあったのでしょうか??」
オペレーターの暢気な報告に基地司令の草薙 優恵(くさなぎ ゆえ)大佐は頭を抱えていた。
「北村君?これは艦隊行動ではなく”侵攻”よ?」
「は?侵攻でありますか??」
あまりに突飛な優恵の発言に発令所がシンと静まる。
「霧島少将からの連絡通りね....待機中の防衛艦隊及び防衛衛星を起動!」
「了解!ステーション及び防衛艦隊出撃します。」
草薙大佐の命令麾下アマテラス防衛艦隊は活動を開始した。
「あと...解ってるわね?北村君」
「解っておりますよ!」
「じゃ..手配急いでね♪早急に」
圧倒的な戦力比であるにもかかわらずこのステーションの雰囲気は明るかった。

<朝鮮民国アマテラス制圧艦隊旗艦”金城”>
「敵艦隊補足..距離15万宇宙キロ」
「自動防衛衛星も接近中です!」
「ふむ..飛鳥皇国の領空へは簡単には入らせてもらえそうにないな」
朝鮮民国艦隊司令  キム・ジャンキ大将は飛鳥公国側の素早い対応に舌を巻いていた。
「しかし...我が艦隊の数の方が圧倒的に多い。何とかなるだろう。」
「敵艦隊鶴翼陣形に展開」
「ふん...問題ない!全艦密集隊形で突撃開始!」


朝鮮明国艦隊は密集隊形のまま突撃を開始し数で劣る飛鳥公国艦隊を圧倒したが
突入開始後異変は起こった....防衛艦隊が自爆を開始したのだ。

「な....なに???自爆だと??」
密集隊形で突入していた朝鮮明国艦隊は自爆した飛鳥皇国防衛艦隊の爆風をもろに受け
艦隊は艦列を乱してしまった。

「司令!軌道ステーションより通信が入っております!」
「なに?」「飛鳥皇国防空艦隊司令 草薙優恵です。朝鮮明国艦隊司令本星にお帰り下さい。」
「この期に及んでなにを言い出すかと思えば戯れ言を...。」
キム司令が鼻で笑うと優恵は不敵に微笑み宣言をした。
「では貴艦隊の統帥....こちらで預からせていただきます。」
「なにを「司令!大変です!艦の制御が効きません!」」
「艦隊リンク機能を利用して全ての艦の制御系を奪わせてもらいました。もうマニュアルに変更もできません。朝鮮明国宇宙港軍用桟橋に到着したらパスコードを入力するまで全ての制御を受け付けないよう設定してあります
残念ですがお帰り下さい。」
「お・・・おのれぇ!!!!!」
「ではごきげんよう」
優恵の挨拶とともに通信が途絶え朝鮮明国艦隊は本星に帰還していった。

<飛鳥皇国本星アマテラス軌道防衛ステーション>
「みんな!とりあえず・・・ご苦労様♪」
「間に合いましたね!さすがに石原博士の戦闘指揮システムですね!」
「味方を一人も殺さずに朝鮮艦隊を返してしまうんですから...。」
「霧島少将の所のスタッフは優秀みたいよね....無人艦隊の連鎖爆破による敵艦隊の混乱に乗じてハッキング...恐れ入るわ。」
「しかもあの艦隊運動....有人艦隊でもなかなかああはいきませんよ」
「そうね....」
やっと一息ついた優恵と北村がはなしていると緊急電が絶妙のタイミングで入り....それを見た北村の顔が見る見る悪くなって行く。
「どうしたの??」「......飛鳥でクーデターが.........」

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あとがき
ZEEK :17話です
茉莉慧  :16話からずいぶん時間がかかりましたね
ZEEK :う゛
茉莉慧  :コミケの準備ですか??何もやってないようですけど??
ZEEK :う゛う゛う゛
茉莉慧  :しかも全然進展ないし..どこが急展開なのですか??
ZEEK :き..君は本当に茉莉慧君なのか??まるで葵君だ
茉莉慧  :ふふっ
ZEEK :ちぃ.....詩織君に変装セット借りたな??
葵    :ニヤリ
ZEEK :ってことで葵君が怖いんで次回もやってやるぜ!!!





続く?