<岩戸要塞貴賓室>
黒色艦隊が撤退を始めた頃、ここでは早くも防衛戦の情報を再確認していた。
壊滅的な被害を受け撤退した黒色艦隊...改め新第三帝国艦隊..この中にただ一隻激戦区の中央にいながら無傷で帰投した艦があった。
「奈々さん.......どう思います???」
「たぶん三隻目だと思うわ.....あれはどう見てもリフレクションシールド...しかもほかの二隻よりも強力な....もっともポテンシャルが100%生かされるとは思えませんね。」
紅茶の香りを楽しみながらのクレアの問に奈々は苦笑しながら答えた。
「100%生かされるようになると...厄介ですわね。」
「ええ.....。」
「クレリアさん....やはりあの構想を実現するしかないようですね。」
そう答えたのは.....大和第一艦橋にいるはずの和仁親王であった。





































少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第弐拾参話”結成!エンジェリック・フリート” 

<大和艦橋>
(ふみぃ〜〜〜〜〜姉様酷いです)
ここ大和艦橋では歌織が影武者である事がばれないか冷や汗をかいていた。
あえて言うが大和は最前線でありながらもっとも安全な場所である。
なぜなら大和にもラグナロクと同じ高出力リフレクションシールドに守られているのだ。
下手な要塞司令室よりよほど防御力があるのであった。
ともかくここに居るのが歌織であるのを判ってる人間は.......。
「殿下...お飲物をお持ちしました。」
いつの間にか茉莉慧が紅茶を持ってきていた...そしてそこには”歌織さんご苦労様”とメモが置かれていた。
.....どうやら彼女は気がついていたようだ。
歌織ははっとして茉莉慧の方を見るが茉莉慧は微笑みながら顔を横に振った......どうやらほかの人間は知らないらしい。
ほっと安堵の息をつくと改めて....「ありがとう。桜小路」と言い紅茶に口をつけた。

「敵艦隊の完全撤退を確認」
「よろしい....全艦要塞へ帰投せよ!.副長以後の指揮は任せる」
楠香の報告にフェサルーン中佐は作戦終了を宣言し艦長代理の任から離れた。
「了解!これより岩戸要塞へ帰投します。」
指揮権を委譲された美留は喜々として指示をとばし始めた。
「退室する....後は頼む。」
司令官席に座っていた和仁(歌織)はそういうと艦橋を辞した。
艦橋にいた全員は一斉に起立敬礼で送り一息ついた。

「ところで艦長代理....これからクリームさんの所ですか??やっぱり優しく労ってあげるんですね♪」
何気ない茉莉慧の一言に艦橋を辞そうとしていたフェサルーン中佐は硬直した。
「さ..桜小路君 な.....なんのことかな?」
「え?違うんですか??この間も抱き合ってたから私てっきり...。」
「い.いやあれはクリームの奴が足を怪我して....。」
「.....否定はしないんですね♪」
比較的暇になった楠香が参戦する。
「ひ...否定なんて(汗)」
「きゃ〜〜クリームさんって大事にされてるんですね〜〜〜うらやまし〜〜」
操舵士の恋も参戦する.....哀れフェサルーン中佐は艦橋の女性たちの餌食となった。彼が艦橋をでたときげっそりとしていたらしい。(合唱)

<新第三帝国元老院会議室>
「姫は.....無事戦線を脱された。」
「これで少し安心できましたな..。」
「しかし姫にも今一度自重していただかねば。」
ブリュンヒルト艦戦線離脱するの報に会議室の老人たちが一斉に安堵の息をつく。

「.....で....誰がお諫め申し上げるのだ??」
誰かがつぶやいた........その場にいた全員が硬直し.時が止まった....。

<大和医務室>
「....データはそろったね」
「ええ.....十分そろいましたわ」
「しかし.......御鏡級がこんなに早く現れるとは...予想外だよ。」
ZEEKは詩織と共に情報の整理をしており...例の発掘戦艦をデータより発見していた。
「司令はどうするつもりなのでしょう。」
「わからん.....しかしお嬢様のことだ良い案を出して下さるだろう。」
「あとは茉莉慧ちゃんとクリームさん次第ですわね。」
詩織はデータの表示されていたウィンドウを閉じZEEKと向かい合った。
「そうだな....彼女たちにはつらい選択をさせることになるかもしれん...だが今引き返すわけにはかんのだ。」
二人は重い溜息を吐いた.....。

<岩戸要塞宇宙港>
ウォン少将の奸計により身動きがとれなくなっていた戦艦群もようやくその罠を脱し始め大和艦隊入港と入れ違いに周辺警戒へ出航していった。
入港直後のあわただしい中大和は桟橋にその巨体を休め首脳陣の要塞司令部への移動が開始された。
フェサルーン中佐もまたクリーム少尉を連れ立ち大和より降り立つ二人を出迎えたのはラグナロクのオペレーター、フィリア・ノイス少尉であった。
フィリア少尉は二人を敬礼で出迎えると感慨深く語った。
「クリームさんにシステムをお返しするときがきたみたいですね...。」

「フィリアさん........。」
「私は貴女の代理です...システム復旧した今貴方が鈴ちゃんの手綱を握らないと.....また暴走しますよ??」
「............はい肝に銘じます」
「それと......お二人を殿下がお呼びです.それでは私はこれで...」

<大和艦橋>
「.......はい.....はい.判りました.....茉莉慧..司令がお呼びよ。すぐ司令部へ出頭しなさい。」
通信を終えた美留は事後処理を行っていた茉莉慧に出頭命令を伝えた。
「あ..はい...判りました」
ちょうど切りの付いていた茉莉慧はすぐに艦橋からでていった。
「ねぇ楠香.....茉莉慧.....何で呼ばれたのかなぁ。」
「茉莉慧って大和の情報士官だけど本籍は司令部付きなのよね....新しい辞令かしら??」
「へ?そうだったの??」
恋の間抜けな答えに楠香は呆れた顔で答えた。
「お父様は法務大臣にして伯爵、お兄様は帝都防空司令...まさにお嬢様よね。」
「そうね.普段の茉莉慧見てるとあんまりそんな気がしないんだけど...。」
「でも.....うちの艦隊ってそのお嬢様が多いわよね....。」
「そうね...司令は伯爵家、Dr(詩織)は男爵家....参謀(葵)に至っては侯爵家ですもの....。」
「はいはい.....二人とも手が止まってるわよ♪」
「「すみません!副長!」」
謝りはしたものの二人の噂話は終わりそうもなかった(笑)

<要塞司令室>
「桜小路少尉.入ります。」
茉莉慧が入るとそこには首脳部といえる人間が揃っていた。
亜細亜連盟特使&飛鳥皇国天皇代行:和仁親王
要塞司令:三条中将
駐留艦隊司令:霧島少将
同     :上条少将
艦隊艦載機隊司令:近衛大尉
旗艦艦長:ZEEK少佐
そしてスーパーバイザーの石原中尉
さらには帝国の
帝国近衛艦隊司令:ランドルフ元帥
同旗艦艦長:フェサルーン中佐

「殿下.関係者が揃いました。」
和仁に奈々が上奏し儀式が始まった。
そして和仁は高らかに宣言した。
「要塞全将兵に伝える。汎亜細亜連合と神聖銀河帝国の数世紀に及ぶ戦闘が終了したことを!そして両国より抽出した部隊で編成された”エンジェリック・フリート”創設をここに宣言する....しかしこれは今は仮処置である...余自ら艦隊を率い飛鳥皇国主星アマテラス奪還後これを正式のものとする!諸君らに約束しよう!戦乱の悲劇をこれで終わらせると!!!」
演説が終わると要塞各地で歓声が上がった.....銀河防衛艦隊エンジェリック・フリートはここに事実上誕生した。
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あとがき
詩織   :弐拾参話ですわ
茉莉慧  :やっとタイトル登場ですね
ZEEK :ふっ.............
葵    :で.......どうなるの?これから
ZEEK :問題ない
茉莉慧  :いえ...だから本当にどうするんですか??
ZEEK :シナリオ通りだ
葵    :少佐??
ZEEK :ふっ.............
詩織   :..............よく見ると人形ですわ
葵    :少佐どこに隠れてるのかしら????
ZEEK :..........ってことで次回もやってやるぜ!!
どか〜〜〜〜〜〜ん(ZEEK人形自爆)
三人娘  :少佐ぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!(怒)




続く?