<発掘戦艦 艦橋?>
『ふみゅぅ〜〜おはようございますぅ〜〜』
突然のことに3人はフリーズしてしまった。
『もう朝なんですか?ふわ?大変です〜〜〜外が真っ暗ですぅ〜〜お星様も見えません〜〜』
外は土砂や貝などでびっしり覆われており見えないのは当たり前なのだが...少女は外が見えない事に大騒ぎである。
おろおろする少女にクリームはくすっと笑うとクレアの方を見た....するとクレアも意図が分かっているらしくニッコリ微笑むと黙って頷いた。
「大丈夫よ....艦の外壁が土砂で埋まってるだけだから...それより貴女の名前はなんて言うの??」
『おねーさん誰ですか??』
突然声をかけられた少女はきょとんとすると...クリームに返事をした。
「私?私はクリーム・・・あとバウワー博士とクレリア殿下よ♪よろしくね?」
『私は第8世代型恒星間航行型超時空機動要塞”御劔”メインコンピュータ”群雲”制御用仮想人格”鈴”です....よろしくですぅクリームお姉ちゃん』





















少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第参拾参話 ”黄昏の鼓動(後編)”

<御劔 大艦橋>
「恒星間航行型じゃと!!!!」
バウワー博士はクワッっと目を見開くとクリームをはね飛ばすようにコンソールにしがみつくとまくし立てた。
「と言うことは君は光速で航行しかつワープすら出来るというのかね???」
だがクリームがコンソールから離れたことにより急に電源は落ちてしまった。
「答えてくれたまえ!鈴君!!!鈴君!!!」
バウワー博士はコンソールをガンガン叩くが反応がない。
「クリーム...大丈夫ですか??」
「は..はいちょっとお尻が痛いですけど.....。」
「ノイエ君!!!またコンソールに触れてくれたまえ!!」
「は・・はい(汗)」
バウワー博士はクレアが助け起こしているクリームの方を見るとかみつく勢いで再び指示を出した...その勢いにびっくりしたクリームは裏返った声で返事をするしかなかった。
クリームは仕方なく再びコンソールに付く...すると再び艦橋内の電源が復帰する。
『おじいさん・・ひどいですぅ』
強制シャットダウンを喰らった鈴は涙目でバウワー博士に抗議する。
「すまんな...それより君は恒星間航行型と言ったが最大速度はどれくらいかね??」
『ちょっと待ってくださいね...メイン動力炉に火を入れますから』
また興奮して強制シャットダウンを喰らってはたまらないと鈴は主動力炉に回路を接続した。
しばらく後こうアナウンスが流れた。
『反陽子炉稼働良好・・・サブシステム稼働開始・・・・艦内管制復旧・・・システムオールグリーン』
もちろんこれによりバウワー博士が狂喜乱舞したのは言うまでもない。
「反陽子炉じゃと??未だ人類が実用化できていない未知の機関ではないか!!凄い!!凄すぎるぅ〜〜〜!!」
『おじいさん・・・うるさいです・・・・』
「「うんうん」」
鈴がジトメでバウワー博士をみて二人も同意するとバウワー博士は照れたように頭をかくとこうのたまわった
「すまんすまん・・・だが未知の技術、未知の知識に触れるのは科学者の本懐なのぢゃ」
もしここに詩織が居たらこうのたまわったであろう”違いますわ!!科学者の本懐とはピンチの時に<<こんな事もあろうかと!>>と超兵器を出すことにありますわ!!”と・・・・・無論これにバウワー博士が同意するのは想像に難しくない。

『ううぅ〜〜体中ゴワゴワすますぅ〜〜〜』
システムの再起動を果たした鈴は嫌そうにポツリと言った。
「ごめんね.....でも大量の土砂をどけるなんて出来ないのよ..」
そうである..御劔の全長は2.7km・・・これほどの巨艦から全ての土砂をどけるのは不可能に近い。

『できますよ?....クリームお姉ちゃんが協力してくれるなら』
クリームの言葉に鈴は何言ってるのと言わんばかりに聞き返した。
「鈴君....どうするのかね??」
『簡単なことですよおじいさん?まず重力制御システムで上昇して地上に被害が出ない程度のところでリフレクションシールドを使って外壁のゴミを吹き飛ばすんですよ・・・・ね?簡単でしょ?』
いや・・・・それは簡単じゃないと思うぞ...
「そ...そんな事まで出来るのかね!!!.ううぅ生きててよかった」
既にバウワー博士は涙ぽろぽろ状態。
「それでクリームが協力したらどうして可能なのかしら??」
クレアは鈴に疑問をぶつけたが返ってきた答えは至極簡単であった。
「クリームお姉ちゃんに巫女の素質があるからです」
「素質??」
「神器級の稼働には選ばれた巫女がオペレートするヒューマンコントロールシステムなんですよ〜クリームお姉ちゃんはその巫女の資質が充分であるです」
常軌を逸した技術にクレアはただただ呆れるばかりでしばしのあいだバウワー博士の雄叫びだけが艦橋に木霊した。

<5分後>
『ではクリームお姉ちゃん....お願いしますね?』
「鈴ちゃん?少し・・・時間を頂いてよいかしら??」
カラカラと笑いながら次のフェーズに移ろうとする鈴にクレアの待ったがかかる。
『ほえほえ??クレアお姉ちゃんどうしてですか??』
「艦の上にはまだ大勢の作業員がいるのです.....今すぐにやると危険ですよね?」
どこか抜けた返事をする鈴にクレアはやさしくさとした................そのとき一人の青年が艦橋に飛び込んできた。
「殿下!!本艦より異常な出力のエネルギー反応が発生いたしました...あるいは自爆するのかもしれません!急ぎ御退避を!!!」
「問題ありません。それより航海課と機関課の人員を召集して下さい。本艦はこれより浮上を決行いたします。各作業員の収容を急がせて下さい!!」「ハッ!了解致しました!!」
クレアの旗艦としている高速戦艦ザイドリッツ副長・フェサルーン大尉は命令を受けると早々に命令を実行すべく飛び出して行った。
『いいの??クレリアお姉ちゃん???』
「いいんです......本艦がワンマンオペレーションである事は機密とせねばなりません....他のものも...よいですね??」
「「御意」」『わかったです』
こうして御劔の機密は6年後のアマテラス防衛線まで保たれることになる。
「それと鈴ちゃん...艦橋内の制御を帝国標準に合わせてもらえないかしら??」
『それくらいなら簡単です』「じゃあ早めにしてくださいね.......あとクリーム??早めに習熟してくださいね......あなたには申し訳ないけれど......あなたに頼ることになりそうです。」
「はい!!(クレア様のお役に立てる!!!)」
クリームは初めてクレアの役に立てることを純粋に喜んだ......クレアの陰りのある微笑に気づかずに...。

<25分後>     
「殿下!作業員の収容および退避、各オペレーターの配置が完了いたしました!。」
すべての準備が整い臨時艦長に任命されたフェサルーンはクレアに報告を行う
「よろしい.......全艦浮上開始!!」
「了解。全艦浮上開始!!」
クレアの命を受け各オペレータが忙しく操作を開始する。
「半重力装置稼動開始!−5G、−10G、−20G、-25G.......艦の離床を確認!」
艦橋なにどよめきと歓声が上がる......

<キール工廠>
外にいる人たちは徐々にだが浮上を開始を始めた御劔を見て..ただ呆然としていた。
「島が......島が飛ぶ..........。」

<御劔艦橋>
「現在高度100m、200m.......高度10000m!!」
「クリーム.....リフレクションシールド全開!」
それまで目を閉じていたクレアは静かに目を開くとクレアの方を微笑みながら振り返り言った。
「了解しました(鈴ちゃん...いいわね??)」(何時でもOKです!クリームお姉ちゃん)
「リフレクションシールド全開!!!」

そして急激な勢いで土砂が剥離...いや吹き飛ばされた。
「艦を包んでいた土砂の消失確認!!!」「システムチェック、艦の装甲に損傷はありません!」
「全兵装の約7割は使用不能です!!」
「成功ですね.......この艦は抑止力として十分役立ちます。(クリームへの負担を減らさないと...)......。」
クレアは内心を表に出さぬまま感の使い道を模索を始めた。
「殿下......本艦の名前を決めなくてはいけませんね。」
「そうですね.........本艦は”ラグナロク”と命名致します。」
「「「「おおぉ.....神々の......黄昏.......!!!」」」」
こうして歴史の舞台にラグナロクが登場した.......その登場は今後の歴史にどう影響を与えるか.....それを知るものは....今はいない。

余談であるがその日キール造船工廠近辺では土の雨と牡蠣の雨が降ったのは言うまでも無い(笑)

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あとがき
ZEEK :参拾参話です・・またもや長くなっちゃいましたけど何とか後編に収めれました(笑)
茉莉慧 :........またもや鈴ちゃん暴走??日向さんになんかいわれそうですね(^^;;
ZEEK :ふっ.......問題ない
茉莉慧 :鈴ちゃんも大変そうですね(^^;;
ZEEK :まぁこれからも苦労してもらうさ♪
茉莉慧 :って事は私とミコちゃんも..........
ZEEK :ふっ....次回もやってやるぜ!!!(シュタッ)
茉莉慧 :もう!!ごまかさないで下さい!!











続く?