<12時間前:百式司令部高速連絡艇”峻蘭”居住ブロック>
「遅くなってしまいましたね平賀先生..........」
「ふん!”峻蘭”で出ているのだ問題なかろう!」
初老の男が平賀博士と呼ばれた老人に額の汗をぬぐいながら問いかけた。
「しかし........いいんですか?」
「何がだね?」「全部ですよ..........。」
「全部?」「軍の高速艇の強制利用....そしてまだこれから会議して決めるはずの新鋭艦の私的意見書.........下手すれば国際問題ですよ?」
「ふん!何とかなるわい!ど〜んと構えていたまえ藤本君」
豪快に笑う平賀博士の影で藤本といわれた男は諦めのため息をつくのだった。

















少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第四拾壱話”科学者たちの宴”

<10分前:岩戸要塞第一宇宙軍港>
「みたまえ藤本君......間に合ったじゃないか」
平賀博士は上機嫌で藤本と呼ばれた男に語りかけた。
平賀が上機嫌なのも無理は無い........自分の設計した高速連絡艇”峻蘭”は10時間遅れで出発したにもかかわらず岩戸要塞到着は先行した連絡艇と同着であったのだから。
っとその時、上機嫌であった平賀の耳に聞き捨てなら無い台詞が飛び込んできた。
「...........では予定通りなのだね?ワルター君」
「はい、バウワー博士予定通りの性能が得られるのは間違いありません。」
「これで聯盟の奴らを出し抜けるな。」「ええ」
「ちょっと待って貰おう!我等聯盟を出し抜くとは聞き捨てならんな!」
「卿は?」「失礼した、飛鳥皇国艦政本部の平賀譲造船中将だ」「同じく藤本喜久雄造船少将です。」
「帝国技術省のクルト・バウワーだ」「同じくヘルムート・ワルターです」
「「ああ......貴官が鈍足戦艦のバウワー博士か(卿が貧弱戦艦の平賀博士か)...」」
「「なに!!!!」」
二人のつぶやきはほぼ同時に行われ..........そして沸騰も同時であった。

<現在:岩戸要塞第一宇宙軍港>
いがみ合う二人の老人をとめたのは二枚の通信ウィンドウだった。
「「平賀先生!!(バウワ〜お爺さん!!!)」」
「「い...石原君(す....鈴君)!!」」
「「他の方に迷惑じゃないですか!!」」
「「い..いや...これは...そ..その...」」
鈴と巫女装束のままの詩織に詰め寄られたじたじの二人であった。
「クスッ.....会議の時刻が迫っております......遅れないでくださいましね?」
天使のように見えてそれでいてなぜか炎を背負ったような詩織の微笑みに二人は冷や汗をかきながら頷くしかなかった。
「「お久しぶりです、博士!お迎えにあがりました!」」
にこやかにウィンドウを閉じながらクリームと美華が挨拶をすると気がついたかのように両博士は言葉を返した。
「「ああ...クリーム君(趙君)久しぶりだね」」

<岩戸要塞司令長官公室>
「霧島司令.......会議の準備が整いました。」
「月守さんご苦労様.......参りましょうか?」
迎えに来た澪に奈々はにこやかに答えると優雅に立ち上がると公室を出た。

<大会議室>
奈々が澪を従えて
汎亜細亜聯盟からは
聯盟最高の造船技師である平賀譲造船中将をはじめ
藤本喜久雄造船少将、福田啓二造船少将、松本喜太郎造船大佐
そして艦載機設計の天才、堀越二郎技師、土井武夫技師、菊原静男技師、尾崎紀夫技師、重力レーダーの権威、八木秀次博士、核融合機関の権威 種子島時休博士
そしてコンピューター工学の権威 石原詩織博士、五十代冬夜博士

神聖銀河帝国からは
帝国の頭脳と詠われたクルト・バウワー博士をはじめ
フェルディナント・ポルシェ博士、アレクサンダー・リピッシュ博士、レジナルド・ミッチェル博士、艦載機設計の鬼才クルト・タンク博士、ヴィリ・メッサーシュミット博士、エルンスト・ハインケル博士、重イオン推進の提唱者、ヘルムート・ワルター博士、重力派推進の提唱者フェルディナント・ポルシェ博士、まさに二つの宇宙の最高の匠達であった。

奈々は一同を見回すと挨拶を行った。
「皆様遠いところをご苦労様です、私は当岩戸要塞司令長官兼鎮守府司令の霧島奈々です。この会議の趣旨は神聖銀河帝国と汎亜細亜聯盟より供出された平和維持艦隊”エンジェリックフリート”で利用する艦艇および艦載機の検討会議です。皆さんの忌憚無き意見を期待いたします。.........またその手始めとして、先の内戦で爆沈した帝国軍近衛艦隊旗艦”ベルシュフィーネ"の代艦を岩戸要塞内の
工廠で建造する事が決まっておりますのでそれについてのご意見もあわせていただけますようお願いいたします。」

そして波乱の会議が幕開けた............。
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あとがき
ZEEK :四拾壱話です
茉莉慧  :なんだか豪華な顔ぶれですね〜(^^;
ZEEK :解った人間何人居たかな(^^;;
詩織   :私とバウワー博士と五十代博士が浮いてしまいますわ(^^;;
葵    :それだけ貴女がすごいって事よ
茉莉慧  :会議の内容が語られませんでしたけど..........
ZEEK :濃くなるからね..........濃くなるんで
葵    :逃げね.....
詩織   :逃げですわ.....
茉莉慧  :逃げですね(^^;;
ZEEK :チッ 次回からどうなることやら
茉莉慧  :ついでにごまかしてるし.........
ZEEK :ってことで次回もやってやるぜ!!!(シュタッ)
葵    :それはそうと作者は感想に飢えてるらしいわ.....できたら”読んだ

よ”だけでも言ってあげると助かるわ
茉莉慧 :御意見御感想をお待ちしてます♪









続く?