高速戦艦ザイドリッツ:
シャルンホルスト級55番艦
戦艦ベルシュフィーネ就役前までの銀河帝国第1皇女にして近衛艦隊司令長官であるクレリア・フォン・ランドルフ元帥の旗艦であった。
ザイドリッツは、ベルシュフィーネ戦没により、新旗艦”リーブリッヒ”就役までの間、近衛艦隊旗艦に返咲くことになる。
本艦の特徴はなんと言っても、クレリア殿下の旗艦だけに許される”ロイヤル・ピュアホワイト(皇女殿下の純白)”と呼ばれる白いビームコートを兼ねる特殊装甲を持つ唯一のシャルンホルスト級高速戦艦だという事であろう。
この装甲を装備しているおかげで本艦はシャルンホルスト級であるにもかかわらず旗艦用戦艦オーディン級の主砲の直撃にも耐えるという信じがたい防御力を有している。

≪要目≫
建造
キール宇宙軍艦造船工廠
全長
400m
速力
37宇宙Kt
武装
128口径41cm両用砲  連装6基
空間魚雷 61cm      4連装2基
アンチミサイルミサイル   56セル
CIWS            連装8基




















少女艦隊戦記
エンジェリック・フリート
第五拾壱話 ”ロイヤル・ピュアホワイト” 



<ラグナロク艦橋>
『コールドウェル中尉、報告が簡潔なのは結構だが、我々でも解る様に説明してもらえるかね?』
予測していたとは言え敵襲を告げたトリノにZeekは少し不機嫌そうに質問をする。
「了解です。Zeek中佐。」
トリノは簡潔に返事をするとメインモニターに敵艦隊の最大望遠投影図を映し出す。
「まずは此方をご覧下さい...これは目標艦影の最大望遠図です、そして...この部分・・なのですが、昨年新型に交換されたはずの近接防衛火器”ゲイオボルグ”がいまだ搭載されております。これは敵艦隊の随伴艦にも同様の事が言えます。またR−36MK2空間レーダーもR−28MK6空間レーダー”らしき”ものが搭載されており、装備が全く異なると言えます。」
トリノはここまでを一気に説明し回りを見渡した。亜細亜聯盟側の仕官は秘匿情報であった為、そんなものなのかという感じであったが帝国側の仕官...特にフェサルーンは納得顔であった、....そしてトリノの視線に気が付くと視線で先を続けるように促した。
「そして.....これが決定的なものですが...まずこの解析値をご覧ください。」
次に表示されたのは投影画像の光学解析値であった。
「この解析値によりますと..敵艦の艦体は...パールホワイトである事が判明しています。」
トリノの皮肉たっぷりの報告にラグナロクの艦橋に侮蔑を多分に含んだ失笑があふれる。
「なるほどな....。」
『あ〜〜〜〜〜申し訳ないが司令官代理...こちらサイドによく解る様に説明願えないか?』
帝国側の常識が聯盟側の常識とは限らない。現に大和艦橋には困惑が広がっていた。
「........申し訳ない。簡潔に言おう、司令長官殿下の旗艦は”ロイヤル・ピュアホワイト”という特殊な白を使用するのだよ....それをよりによってパールホワイトなどでごまかそうなど...我ら帝国軍人を馬鹿にしているにもほどがある!!!」
クレアの側近でもあったフェサルーンは怒りも露に拳を振るわせる。
『なるほど....悪者線のようなものですか..。』
「悪者線?」
『い...いえ、なんでもありません、トリノ中尉...ご苦労だった。』
「いえ....解析班主任として当然の任務です。」
Zeekの労いにもトリノは淡々と答え席に再び着く。
『それで....お客さんなのは解ったが...生憎、司令官も艦載機隊長も不在だ。歓迎のパーティーを開くには些か手駒が足りませんな、如何なさいますか?司令官代理殿?』
Zeekは腕を組み思案を巡らせながら意地悪くフェサルーンに問いかけた。
「ふっ....参謀長殿も存外意地が悪い、敵が例の艦隊だとすればほとんどが無人艦隊....鬱憤のたまっている艦載機統括隊長殿に、ひと働きして頂けば済む事でしょう?」
ニヤリと笑いフェサルーンが返事を返すとZeekは軍帽を静かに被り直すと、世間話をするかのように命令を下した。
『だ...そうだ、近衛中佐、黒龍隊も銀の騎士団も好きに使ってかまわんぞ......偽殿下の盛大な歓迎パーティーの準備を頼む。』

<大和格納庫:近衛中佐機コックピット>
「了解、.....全員聞いてたわね?私の可愛い貴方達、敵は私達をからかいに来てくれたらしいわ。」
「それはいただけませんね?...どうなさるのですか?統括隊長殿?」
悠華のとぼけた問いに、葵はニヤリと笑うと力強く返事を返した。
「もちろん......叩き潰すわ!”銀の騎士”や公人が居ないからって醜態を晒したら承知しないわ!いいわね?」
『『『『『応(ja)!!!!!!』』』』
各機よりの力強い応答に葵は満足げに頷くと一言追加する。
「特に銀の騎士団のパイロット諸君?諸君らが敬愛する司令長官殿下をコケにした敵を1機残らず掃討しなさい!いいわね?」
『言われるまでもありません。不在の団長に成り代わりこのラミルが蹴散らしてご覧にいれます!統括隊長殿は安んじて督戦あられませ!』
普段はアイスドールのように冷酷なラミル・アクリン少佐ですら怒っているのだ。...ある意味、敵の意表を突くと言うことには成功したが敵の意図はやはり失敗に終わったと思われる。
「アクリン少佐?冷静な貴官まで熱くなってどうするの?そんな事では銀の騎士団に戦死者を出す事になるわよ?」
『はっ...申し訳ありません』
恐縮するラミルに葵は苦笑すると優しく答えた。
「いえ....あなたたちがそれだけ殿下を大事に思ってると言う事は良く解ったわ♪騎士団長不在でも、これなら大丈夫そうね♪」
そして葵は気を引き締めるとモニターに映る艦橋に報告をあげる。
「艦ちょ....いえ参謀長!全機発艦準備よろし!オールグリーン!」

<大和艦橋>
葵の報告を受けたZeekは満足げに頷き、茉莉慧の方を見ると静かに...そして力強く命令を下した。
「全艦載機、発艦始め!攻撃目標!前方偽装艦隊!!!叩き潰せ!!」



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あとがき
ZEEK  :五拾壱話です
葵    :言い訳位なら聞いてあげるわよ?(^^#
ZEEK  :あの.....その......
詩織   :今回も前回からずいぶん更新を滞らせましたわね(^^;;
茉莉慧 :一体次は何時でしょう(--;;ベータ版を公開したっら”前回(五拾話)とのつながり開きすぎて忘れてた”って言われた

らしいですよ
葵    :......無様ね
ZEEK :....................................すまん
葵    :次回は早めに更新する事ね
ZEEK :くっ........次回もやってやるぜ!!!(シュタッ)
葵    :それはそうと作者は感想に飢えてるらしいわ.....できたら”読んだよ”だけでも言ってあげると助かるわ
茉莉慧 :御意見御感想をお待ちしてます♪















続く?